先崎学氏の『うつ病九段』を読んでびっくりした。
うつになった経緯や環境はまったく違えど、発症→入院→通院→寛解の時期がほぼ同じだったから。
あと、丸岡いずみさんの本を読んだときよりも「そうそう!なんでこうなっちゃうんだろう」っていう、あるある感が共感できたのです。
電車に吸い込まれそうになるから極力使わないとか、
小学生との将棋を指すことができないとか。
うつ病の人が自殺をはかる理由についても、
何かに悩んで死ぬのではない。死にたがるというのが、うつ病の症状そのものなんです。理屈はありません。これがうつ病の理解されづらいところです。
私の場合も、日常生活を無理やりしようと必死で車に乗るけれど、ガードレールに飛び込みたくなったり、そのイメージが頭によぎる。
包丁、タオル、ベルト、鉄棒すら見えるところにあると頭の中でイメージがはじまる。
いちばん印象に残っているのが、韓国のプロゴルファー「アン・シネ」さんがテレビに出ると「シネ」が「死ね」に見えた。(今は笑える話だが)
山本文緒さんの著書の中で比喩でもなくふざけて言っているのでもなく真剣に「死ね死ね団」が自分に死を迫っている・・と書いているが本当にそれ!!
パソコンはおろか、字も書けなくなり、読めなくなり、もちろん家事も季節の服を選ぶことすらできなくなってしまった。
字を書こうとすると、家事をしようとすると手が震える。
あれから、約2年。
先週、通院していた精神科の先生から「よし!薬がなくても大丈夫そうだし再発もなさそうだから、今日で治療を終わりにします。」と、うつ病の治療が終わった。
うつとか更年期障害なんて、自分にはまったく縁がないものだと思っていた私が精神科の鉄格子の病棟でクリスマスやお正月を過ごすことになるなんて。
私の場合、きっかけはこちら。すべてはここから始まった。
2017年6月、3キロ近くあった(胎児並み!)子宮筋腫と子宮を全摘、卵巣もひとつ取りました。
手術じたいは成功、退院して実家で3週間過ごして家に戻ってからが猛暑の7月で。
術後のうえ、女性ホルモンのかたまりが一気になくなってしまった。
仕事も約束の1か月で戻れず、めまい、不眠でただ横になっているだけ・・・・・
もともと人よりアクティブでスポーツや海外ひとり旅が大好きな私。
家でゴロゴロすることすら皆無だった。
↓ こちらのブログにはそんな旅の記録や日々のあれこれを綴っています。
このブログが普段のアクティブな自分。
いつも亭主元気で留守がいい私が、だんだん日中にひとりでいるのが不安になって夫が仕事中なのに電話をしてしまうようになった。
朝、「仕事行かないで」と言ってしまうようになった。
夫がお風呂に行くだけで何回も何回もお風呂をのぞきに行く。
ひとりだと何もできない。
おかしい、おかしい
おかしい・・・・・・・
あと、丸岡いずみさんもはじめは胃腸の調子がおかしいから、うつ病だなんて思わなかったと言っていたけど、私も同じ。
吐き気やのどに何かつまった感、あと息苦しくて仕方なかった。
だから、夫に胃腸科や耳鼻咽喉科にも連れて行ってもらった(自分で病院にも行けない状態で💦)けれど異常なし。
そこで、心療内科も行ったけれど不眠の薬とリーゼという軽い安定剤が処方になって服薬していたけれど、まったく変わりがなかった。
秋になって冬になって、いよいよ一睡もできない私が、夜中に私のことで疲れている夫を起こし
「大変だよ、このままだと私はここに住めなくなる!」
「みんなが噂して、もう私はいなくなったほうがいいんだよ!」
とか、目もうつろに、たぶん被害妄想のようなものが出始めていたようです。
普段は面倒見がよい温厚な夫も、
「いいかげんにしろ!夜中に大きい声出すなよ!」
今でもあの時のこわい夫の顔は覚えてる。
かなり参ってしまっていたのだろう。
みんなに迷惑をかけている。私は、やっぱり消えてしまいたい。
そして、何も考えない世界に行きたくて。
ただただ、ゆっくり眠りたくて。
生まれてはじめての大量服薬をしてしまい、救急車で運ばれてそれから2か月精神科に入院することになりました。