気がついたら、病院のベッドでした。
こんなドラマみたいなことって本当にあるんだ・・・っていうのと、
ああまた苦しい世界に戻ってきちゃったんだ・・・っていうのが、その時の気持ちだったかな。
その後約2年お世話になる先生から
「あなたは、うつ病です。これから約2か月~3か月入院します。」と告げられました。
鉄格子の個室(だんだん大部屋になりましたが)、スマホも持ち込み禁止。
その代わりはテレフォンカード。
電話番号のリストは夫が書いてくれていました。
これは、最近聞かされたのですが先生は
「入院したほうが家族が楽でしょう。2か月で治りますよ。」と言ってくれたそうだ。
うつ病自体は、死に至る病気ではない。
だけどうつ病は死にたくなる病気であるから、自宅にひとりでいたら自殺を図る心配が家族にふりかかる。
入院しても、投薬と休んでいるだけだけれど、監視されているので自殺を図ろうとしても無理なこと。
悪い言い方をすれば、希死念慮のための入院ということか。
でも私の大量服薬でそのまま入院になったことは、結果今になってみるとラッキーなことだと強く思う。
心療内科のクリニックに通院して日常生活に戻ろう戻ろうとしたら、もしかしたら命がなかったかもしれないから・・・。
*たくさんの種類のお薬のうちの最後の1種類レクサプロ
ただ、人生初の精神科病棟はあまり思い出したくないことばかり。
とにかく1日が、いや1時間が1分が長い。
夜も長くて朝がくるのも恐怖で、今までの生活では関わったことがないような人と24時間一緒に暮らす。
はじめのうちは、夫に、母に電話ばかりしていた。ただただ声が聞きたくて。
夫が今になって言う。
「俺の携帯、公衆電話っていう着信がずーーーっと並んでたよね。あの時」
1000円のテレカ3枚が、どんどん減っていったっけ。
クリスマスは病院食にクリスマスケーキ一切れが、
そして大晦日やお正月は、ちょっとそれっぽいお料理が出たけれど、作ってくれた人の気持ちを思う余裕がない。
そんなことも「何かの罰ゲームか?」と心で泣いていた。
昨年2月、ものすごく寒い朝から雪が降った日に退院。
普通にコンビニで買ったコーヒーがなんと美味しかったことか。
先生が家族に言ったとおり、2か月でまったく別人(というか、もとの自分)になってなんと!退院した2週間後には求人広告をみて新しいお仕事に就いた。
3月にはひとり旅を再開、
(今見てびっくり。2月のうちに計画のブログ記事書いてましたね)
退院してから1年。
先日、「 今日で通院終わりにしましょう。」と先生に言われて、なにか夢から覚めたような気持ちでした。
「うつ病と風邪を一緒にするのもどうかと思うかもしれないけれど、うつ病はだれでもかかる病気。そして風邪と同じで、こじらせてしまってからでは治るのにも時間がかかる。もう眠れないな、おかしいなって自分でわかるでしょう?思ったら早めに病院へ来ることですよ。」
私のように、もし今、おかしいなって思っている方がいたら、早めに病院へ行ってください。
そして私のようにうつがひどくなって希死念慮が出てくるような方が家族にいたら、ぜひ精神科のある大きな病院に連れて行ってあげて下さい。
そのとき本人が嫌がっても、それは被害妄想のひとつだと目をつぶってぜひ病院に連れて行ってほしいです。
丸岡いずみさんの本のタイトル「休むことも生きること」。
まさにこのとおりだと思う。
入院して日常生活を断ち切って脳を休めたから、私には今がある。
暗くて長いトンネルだったけれど、今はすべてに感謝です♪